公爵の娘と墓守りの青年


「この世界の神の話だと、ネレヴェーユ様が禁忌を犯したからだと言っていた」

「……禁忌?」

「人間の君に、ネレヴェーユ様がご自分の力を与えたことで君は生き返り、死ぬはずだった君の運命を変えたことだ」

「……!」

トイウォースの言葉にカエティスは息を飲む。

「……だったら、行かないと」

「何だって?」

カエティスの呟きにトイウォースは眉を寄せる。

「……ネリーに、返さないと」

そう呟き、カエティスはベッドから出ようとする。

「ちょっと待って下さい、隊長! その身体では無理ですっ!」

「そうだぞ、カエティス。今の状態で行ける訳がないだろう! 君が一度命を失ってからまだ三日しか経っていないんだぞ」

ベッドから出て歩こうとするカエティスをトイウォースとミシェイルの二人がかりで抑え、ベッドへ押し戻す。

「三日しか経っていないのなら尚更だよ。ネリーの力が俺の身体に定着する前に返さないと」

そう言って、もう一度カエティスはベッドから出ようとする。

「そうしたら、君はまた命を失うだろう! 何の為にネレヴェーユ様が君を生かそうとしたんだ。ネレヴェーユ様のことを考えろ」