公爵の娘と墓守りの青年


「……トーイ様も皆、無事です。あと、隊長が生きているのはネレヴェーユ様のお陰なんです。ネレヴェーユ様がご自身の力を少しだけ隊長に与え、多分、無意識だと思うのですが、ネレヴェーユ様の力が隊長の運命を変えたそうなんです」

ミシェイルの説明にカエティスは目を大きく見開く。

「……ちょっと待って。どういう意味だい? ネリーが自分の力を俺に? ネリーの力が俺の運命を変えたってどういうことだい? どうして、ネリー本人がいないんだい?」

眉を寄せて、カエティスは勢い良く身を起こし、痛みに顔を顰めながら尋ねる。

「ネレヴェーユ様の力などはネレヴェーユ様の父親であるこの世界の神が私達に説明したことだ、カエティス。そして、ネレヴェーユ様がここにいないのはネレヴェーユ様の父親や兄弟がネレヴェーユ様を連れて行ったからいないんだ」

カエティスの部屋に入りながら、クレハノールを伴ったトイウォースが親友に告げる。

「……トーイ、クレハ」

「君が目覚めて良かった。目覚めなかったらどうしようかと思った」

安堵の息を洩らし、トイウォースはカエティスに笑い掛ける。

「心配掛けてごめん。でも、俺のことはいいんだ。トーイ、ネリーはどうして連れて行かれたんだい?」