公爵の娘と墓守りの青年



カエティスは目を開けると、そこは聖堂の、昔、育ての父が用意してくれた自分の部屋だった。

「……あれ? 俺の、部屋?」

小さく呟いて、カエティスは身を起こそうとするが、胸に激しい痛みを感じ、起きれずに倒れ伏す。

「……俺、死んだんじゃなかったっけ……?」

ベッドの中で呟き、カエティスは窓の外に目を向ける。
空がまるで血のようにとても赤い。
一体、今がいつなのか分からないが、亡者達の気配は全く感じない。
赤い空を見つめていたカエティスはこちらへ向かって来る気配を感じ、扉へ目を移す。

「隊長! 良かった、気が付いたのですね!」

安堵した声を洩らし、ミシェイルはカエティスのベッドに近付く。

「……ミシェイル。俺はどうして生きてるんだい? ネリーは? 皆はどうなったんだい?」

身を起こそうとしながら、カエティスは痛みに顔を顰め、尋ねる。
ミシェイルはカエティスの問いに、言いにくそうな表情を浮かべる。
が、カエティスの真剣な表情に負け、ミシェイルは小さく口を開いた。