公爵の娘と墓守りの青年


大きく頷き、ミシェイルとレグラスは慌てて離れた場所にいるトイウォースを呼びに向かった。

「……本当に、大丈夫、なのに……」

走っていくミシェイルとレグラスの後ろ姿を見つめ、カエティスは呟く。
荒く呼吸をしながら、カエティスは剣の柄に頭を乗せるが、力がなくなったのか彼の身体が傾き、地面に倒れる。

「カエティスっ!?」

倒れたカエティスを慌てて起こして、ネレヴェーユは支える。
目を閉じ、荒い呼吸を繰り返すカエティスをネレヴェーユは膝に乗せる。
カエティスの胸に手をかざして、魔力で止血を試みるが血は止まることなく流れていく。

「どうして……どうして、止まらないの……!」

必死に魔力で止血をするが、やはり血は止まることはなく、ネレヴェーユはぽろぽろと涙を零す。

「お願い……死なないで……!」

懇願にも聞こえる声にカエティスは目を開けた。
目を開けると、涙を流すネレヴェーユが自分の顔を覗き込むように見下ろしていた。

「お願いだから……」

尚も懇願するようにネレヴェーユはカエティスの胸に右手を当て、左手で彼の手を握る。

「……綺麗な顔なんだから、泣くなよ……」

カエティスの言葉にネレヴェーユは白に近い水色の目を見開いた。
流れていた涙が少しだけ止まる。

「カエティス!」