「ネリーっ!」
すぐさまトイウォースの祖父の魂の動きに気付き、カエティスはネレヴェーユを庇うように間に入る。
ネレヴェーユの前に立ったと同時に彼女をミシェイル達の方へ押す。
「カエティスっ!」
カエティスに押され、よろけたところをミシェイル達に支えられながらも、ネレヴェーユは恋人の名を叫んだ。白に近い水色の綺麗な目を大きく見開き、息を飲んだ。
トイウォースの祖父の魂――黒い霧が庇ってくれたカエティスの身体の中に入っていくのが見えた。
「カエティス、カエティスっ!」
うずくまるカエティスの名を何度も呼び、ネレヴェーユは彼に近付こうとする。
「ネレヴェーユちゃん、ちょっと待った! あいつに今近付いたらまずいって! あいつの中に王様の祖父の魂が入っちゃってるんだからさっ」
「でも……っ! カエティスが……カエティスが……」
『素晴らしい……! 何という溢れる魔力だ!』
低い、歓喜に満ちた声が、うずくまったまま動かないカエティスの周囲から響く。
その様子に口に手を当て、ネレヴェーユが息を飲む。
『我が器にふさわしい――?!』
尚も響く歓喜に満ちた声が不意に止んだ。


