『おのれ、カエティス! やはりあの時、お前の神の血が流れている身体を奪えばこんなことには……!』
「神の血?」
聞き慣れない単語に眉を寄せ、カエティスは鴨頭草の剣を持ち直し警戒する。
『まぁ、それも今日で終わりだ。今からお前の身体を奪えば、女神は我のものだ』
「……そうはさせない。彼女は彼女のものだ。勝手な理由で彼女を汚さないでもらおうか」
カエティスの言葉に、トイウォースの祖父の魂を睨む。
剣を横に構え、腰を下げていつでも飛び出せるようにカエティスは相手の動向を見る。
しんと辺りが静まり返り、柔らかい風だけが吹く。
その静けさを破る透き通る綺麗な声が背後から聞こえた。
「カエティス! 大丈夫?!」
「ネリー?!」
恋人の声を聞き、カエティスは振り返って目を剥いた。
「ネリー、駄目だ。こっちには来ないで。ミシェイル、レグラス。ネリーを近付かせないで」
カエティスの慌てようにミシェイル達は訝しげな表情を浮かべる。
「隊長、何をそんなに慌ててるのですか?」
ミシェイルがカエティスに問い掛けたその時、トイウォースの祖父の魂が動いた。
『女神ネレヴェーユ……! 我のものだ!』


