公爵の娘と墓守りの青年


「父上っ」

「ディオン、無事か!?」

「兄上、僕は大丈夫です。でも……」

兄の言葉に頷き、ディオンは父の亡骸に駆け寄るクレハノールを心配そうに見る。

「……父上……」

そっと父の身体に触れ、クレハノールは唇を噛んだ。
先程まで動いていたのに、父の身体は冷たい。
父の手を握り、クレハノールの目から雫が落ちる。

「……トーイ、クレハを頼んだよ」

父の手を握ったまま俯くクレハノールを悲しげに見つめ、カエティスはトイウォースに告げる。

「ああ。カエティス、君はどうする?」

「君のお祖父さんを追い掛けるよ。それじゃ、また後で」

「分かった。私達も後で追い掛ける。無茶はするなよ」

「しないよ」

そう言って、カエティスはトイウォースの祖父が逃げた方角へ走った。
その後をミシェイル達自警団とネレヴェーユが追い掛けた。





舗装されていない山道を駆け降りて、カエティスはトイウォースの祖父の後を追う。
立ち止まって探すことなくカエティスはひたすら山道を降りる。
後を追い掛けながら、不思議に思い、ミシェイルは尋ねた。

「隊長、トーイ様のお祖父様の居場所が分かるのですか?」