公爵の娘と墓守りの青年


親友の身を案じ、カエティスの顔を見ると穏やかに微笑む目とぶつかり、トイウォースは思わず口を噤んだ。

「……今は何を言っても無駄か……」

「え?」

「何でもない。カエティス、今からのことだが陽が昇ったら山の中へ入り、祖父達を倒すつもりだ。明日の戦いで終わらせる」

まっすぐカエティスを見て、トイウォースは告げた。
正面からトイウォースの緑色の目と向き合い、カエティスは頷いた。

「……分かった。いつでも戦えるように準備をしておくよ」

穏やかに微笑み、カエティスはトイウォースが休む天幕から出た。
天幕から出てすぐカエティスはミシェイル達が休む天幕に入り、これからの予定を伝えた。またすぐ天幕から出て、共に戦ったトイウォースの兵士達と会話をした後、自分の天幕へと入った。

「お帰りなさい、カエティス」

嬉しそうな笑顔でネレヴェーユがカエティスを出迎えた。

「た、ただいま。ネリー」

満面の笑みを浮かべるネレヴェーユに驚いて、カエティスは一歩後退した。

「どうして、ここにいるんだい? クレハと一緒にいるってトーイから聞いてたんだけど……」

「トーイが、貴方が呼んでると聞いたので、来たのですが違うのですか?」