「……トーイより俺が焦ってるのかな……」
小さくカエティスは呟いた。それを聞いていなかったミシェイル達が不思議そうにカエティスを見る。
「隊長、何か言いました?」
「いいや、何も言ってないよ。さ、山に誘導させるよ」
そう言ってカエティスは様々な青い色で彩られた――鴨頭草という名の剣を鞘から抜く。
「行くよ、皆」
剣を構え、カエティスは目の前に立ちはだかる亡者達へ向かって駆ける。
カエティスの持つ剣が青いオーラを放ち、亡者達に触れ、触れた彼等は強制的に消えていく。
青いオーラを恐れ、亡者達は後方へ逃げ、山へと追い立てられていく。
全ての亡者達が山に入ったのを確認して、カエティスも中に入る。
山道をしばらく駆けた後、カエティスは立ち止まり、辺りを見回す。
昼間なのに、暗い、黒い気配が山を覆っているせいか、辺りが暗く感じる。
「……結界を張って、閉じ込めないと……」
鴨頭草の剣を鞘に戻し、カエティスは膝をつき、地面に右手を触れる。
目を閉じ、魔力を集中させて、一気に右手から放つ。
淡い青いオーラが地面を走り、空へと昇る。
街に張った結界と同じく、淡い青いオーラが半球状になり、山を包み、消える。


