公爵の娘と墓守りの青年


「……あ、あのさ、何の話かな? 全く話が読めないんだけど」

まだ何か言い合っているトイウォースとクレハノールにカエティスは恐る恐る尋ねた。

「あぁ、すまない。カエティス。もうすぐ王子の誕生日でな、この戦いが終わったら盛大に宴を開くんだ。その時のダンスの相手にカエティスを選ぶぞ、という話をしていたんだ」

「そ、そうなんだ……びっくりした」

ほっと胸を撫で下ろし、カエティスは表情を戻す。

「じゃあ、誕生日が近い君の為にも、俺が山に結界を張らせてもらうよ。トーイ、君は狙われていて危ないからクレハとネリーと一緒に居るようにね。クレハ、トーイとネリーをよろしくね」

そう話を切り上げて、カエティスはトイウォース達の返事を聞く前に足早に彼等から離れた。

「お、おいっ! カエティスっ!」

慌ててトイウォースは呼び止めるが、離れていくカエティスの耳には届かなかった。

「……あいつはどうして一人で無茶するんだ」

ぽつりと呟き、トイウォースは剣を構えた。





「ミシェイル、レグラス。トーイから許可もらったから、山に彼等を誘導させるよ」

「はい、分かりました」

「えっ、よく王様が許したな。王様、それほど焦ってんの?」