公爵の娘と墓守りの青年


目を丸くしつつも、カエティスはトイウォースに尋ねた。

「結界? 確かに逃げてばかりいるからその案には賛成だが、誰が張るんだ?」

「俺……」

「却下」

カエティスが主張しようとした瞬間、トイウォースと隣で聞いていたクレハノールが同時に声を出した。

「だから、何で君達までミシェイル達と同じ却下って言うかな」

「言うに決まっているだろう、馬鹿野郎。いつも無茶する幼馴染みに任せられるか。それなら王子に張らせた方がマシだ」

「クレハ……君、私のことをそんなに愛していたんだね……!」

「どう聞けばそうなる。私はそのようなこと何も言っていないぞ」

抱き着こうとするトイウォースを変なものでも見るような目を向け、クレハノールは近付く彼の顔を手で押さえる。

「鬱陶しい王子からカエティスにするぞ」

「……何が?」

「クレハ、いくら何でもそれは酷いな。私はこう見えても心の狭い男でな、君ではないと私は仕事をしないぞ」

訳の分からない状態のカエティスを無視して、トイウォースとクレハノールの会話が続く。

「心が狭いのはしっかり顔に出ているぞ、王子。今更、言われても何の衝撃もない」