公爵の娘と墓守りの青年


ミシェイルとレグラスの視線から逃げるようにカエティスは周囲を見渡し、前線から少し後方にいるはずのトイウォースを探す。

「少し離れるけど、何かあったらすぐ呼んで」

クレハノールと背中合わせに戦うトイウォースを見つけ、カエティスはミシェイル達に告げる。

「はい、分かりました!」

「はいはーい。こっちは任せろー」

頷く二人を確認して、カエティスはミシェイル達から離れた。

「トーイ、ちょっといいかい?」

小走りに駆け寄り、少し疲れた様子のトイウォースに声を掛ける。

「カエティス、どうした? 前線で何かあったのか?」

「いや、何もないよ。ただ、まだ君のお祖父さんにまでは至ってないから、そのことについて君に相談したいことがあるんだ。すぐ戻らないといけないから手短に、だけど」

「私の祖父のこと? 何だ?」

眉を寄せて、トイウォースは構えを解き、剣を下ろす。その彼を守るように彼の部下の騎士達が周囲を固める。
騎士達のその素早い動きを見て、感心したようにカエティスは目を丸くする。

「君のお祖父さんを亡者達ごと、君のお祖父さんが生前暮らしていた山に結界を張って閉じ込めてもいいかな?」