公爵の娘と墓守りの青年


「カエティスの張る結界は隙間がないよな。俺なんか結界張るの苦手だから、穴がたくさんだよ」

嘆息して、レグラスは魔力のない者には見えない結界を仰ぎ見る。

「やぁ、ミシェイル君、レグラス君。お帰り」

穏やかに微笑み、ベルナートはミシェイルとレグラスに声を掛ける。

「ただいま戻りました、司祭様」

声を揃えて、ミシェイルとレグラスは挨拶をする。

「皆、今日はここに泊まるかい?」

「……多分、そうなるんじゃないかと思いますよ、お父さん」

カエティスがそう答えると、聖堂の門を開く音が聞こえた。

「……クレハ、かな? ちょっと見て来ます」

カエティスは眉を寄せながら、門へ向かった。
門を見ると、腕を組んだクレハノールと、その彼女の肩を抱こうとして睨まれているトイウォース、物珍しそうに辺りを見回すネレヴェーユ、彼等の案内を無理矢理させられたらしい他の自警団の面々がいた。

「……えーっと、この状況はどうしたのかな?」

呆然と見つめ、カエティスはとりあえず声を掛けてみる。

「君の生家が見たいと私とネレヴェーユ様が言ったら、クレハと君の部下が拒否してね。どうしてもって言ったらこちらに案内された、という状況だよ、カエティス」