公爵の娘と墓守りの青年


「じゃあ、私も行こうかな。君が無茶しないように」

満面の笑みを浮かべ、ベルナートはカエティスの後をついて行く。
笑う育ての父の視線を背中に感じ、カエティスはこっそりと苦笑いを浮かべる。

「……視線が痛い……」

「何か言ったかい? カエティス君」

「いえ、何も言ってませんよ、お父さん」

同じく満面の笑みを浮かべ、カエティスは首を振った。
会話をしている間に、カエティスとベルナートは聖堂の中庭に着く。
聖堂の中央にある中庭は、ちょうど街の中央に位置する。
その中庭の真ん中に立ち、カエティスは周囲を見渡す。
季節の花が咲き、穏やかな風が吹く。
今から亡者達との戦いがあるとはとても思えない穏やかさだ。
その場所でカエティスは意識を集中させて、魔力を高める。
淡い青いオーラがカエティスの全身を包み、空へと昇る。
昇ったオーラが上空で弾け、柔らかい光となって街へ降り注ぐ。
街をオーラが覆い、半球状になり、ゆっくりと消える。
その光景を見つめ、カエティスは息を吐いた。

「上手くいったみたいですね、隊長」

安堵した声音でミシェイルは駆け足でカエティスに近寄る。

「うん、そうだね。ミシェイル」