公爵の娘と墓守りの青年


「……カエティス君は本当にカーテリーズそっくりだよ。自分でどうにかしようと考える。私が反対しても勝手に動く。まぁ、そこが彼女に惚れた一つなんだけどね」

説得を諦めたようにベルナートは溜め息を吐いた。

「君の気持ちは分かったよ。カエティス君のしたいようにしなさい。但し、無茶をしないこと。いいね?」

「はい、分かりました。それにしても、司祭様も王様も無茶するなって、俺、そんなに無茶してるように見えますか?」

「カエティス君、お父さんと呼びなさい。お父さんと。君は本当にカーテリーズそっくりで、無茶しているのに無茶してないって言い張るんだよ」

困ったように笑い、ベルナートはカエティスの頭を小さな子供にするように撫でる。

「だから、こちらは冷や汗ばかりだよ。五歳の時は二泊三日でちょっと出掛けたカーテリーズの帰りを寝ずに待つし、追い掛けようとするし」

「…………」

懐かしそうに思い出すベルナートの言葉を聞き、カエティスはばつが悪そうに目を逸らす。

「あの、俺、聖堂の中庭で結界張って来ます」

居たたまれなくなったカエティスは、話を変えるように扉の取っ手を掴む。