公爵の娘と墓守りの青年


「そこなんだけど、そのまま街道から行って欲しいんだ」

カエティスの一言にトイウォースはニヤリと笑う。

「……なるほど。挟撃か。ということは強行軍側が早く着くことで戦況は変わるな」

大きく頷き、納得したトイウォースは数十人の兵士を呼ぶ。
呼ばれた兵士はトイウォースの許へ集まり、彼から指示を受け、再び散っていく。
馬に乗らない兵士達は先に街道を進んで行く。

「カエティス達の馬の用意が出来たらすぐ出発だ。カエティス、先導を頼んでいいか?」

「もちろん。ただ、気を付けてよ。本当に獣道だから」

「馬の扱いに長けている者しか選んでいないから、大丈夫だ」

まだ少し迷いのある表情を浮かべつつも、カエティスは頷いた。
そのやり取りをしている間に用意が出来たようで、カエティス達のところに馬を連れた兵士がやって来る。
それぞれ馬を渡され、カエティス達は鞍の上に跨がり、乗り心地を確認する。

「準備が出来たよ。いつでも大丈夫だよ」

確認したカエティス達はトイウォースの指示を待つ。

「分かった。では行こう。ネレヴェーユ様、危ないと思ったらすぐ声を掛けて下さい」