公爵の娘と墓守りの青年


休む間もなく、次へ次へと右手に持つ剣で斬り、左手は魔力で浄化させていく。
どんどん先へ進み、カエティスは亡者の大群の先にいるであろうトイウォースとディオンの祖父だったモノを目指す。だが、大群に阻まれる。

「……逃げたか」

トイウォースとディオンの祖父だったモノがいた場所にカエティスが辿り着いた時には、亡者の大群と共に相手は逃げた後だった。
うっすらと青く輝く剣を鞘に戻し、カエティスは小石を軽く蹴る。

「……逃げるにしても、何かを狙っているような逃げ方だな。祖父は何を考えているんだ?」

背後から聞こえた友の声にカエティスは振り返る。
振り返ると馬に乗ったトイウォースと彼の後ろに乗ったネレヴェーユ、別の馬に乗ったクレハノールがやって来た。更にその後を追い掛けるようにミシェイル達自警団の面々が駆けてくる。

「カエティス、君はどう思う?」

「俺には分からないよ。ただ、あの方向はまずいよ。クレハにも、ミシェイル達にも、俺にも」

珍しく嫌そうな顔を全面に出し、カエティスは亡者達が逃げた方向を睨む。

「……まさか……」

カエティスの言葉に、クレハノールは息を飲む。