公爵の娘と墓守りの青年


「……そっか。分かった。準備をしておくよ。それで今からのことだけど、俺は先頭で戦おうと思う」

「先頭? ネレヴェーユ様をお守りするのではないのか?」

カエティスの言葉に驚き、トイウォースは友を見る。

「先頭なら皆を守れるからね。ネリーもトーイもクレハ、ミシェイル達をね」

「……構わないが、珍しいな。アイサリスでは王だけを守っていたという君が、全員を守ろうだなんて」

「別に王様だけを守ってたわけじゃないよ。あっちは皆が強くて突撃型だったから、王様の隣にいただけで……」

頭を掻きながら、カエティスは懐かしげに暗い空を見つめる。

「とにかく。先頭には俺が行くよ。トーイはネリーをお願いしてもいいかな?」

「分かった。任せろ。ただカエティス、本当に無茶はするな。いいな?」

「……うん。無茶はしないよ」

無茶をする予定だったのか、カエティスは頬を掻きながら頷いた。

「頷くまでの間が気になるところだが、追及はしないでおこう。明け方前にはここを出る。それまでは休んでくれ。ネレヴェーユ様と仲良くな」

そう告げて、トイウォースは自分が休んでいるテントに戻って行った。