公爵の娘と墓守りの青年


「ごめん、ネリー。呼ばれちゃった。あとでまた色々話そうね」

「ええ、カエティス。あの、ありがとうございます。応えてくれて」

ネレヴェーユの言葉に微笑み、カエティスはトイウォースがいる場所へ向かった。

「……トーイのお祖父さんから絶対守るよ。ネリーもトーイも、皆」

小さく、誰にも聞こえないような声で、カエティスは決意する。
そっと赤眼の剣の柄に触れ、真っ直ぐ強い眼差しで前を見据えた。
その珍しい透き通った水のような水色の右目と、意志の強い鋼のような銀色の左目に、うっすらと浮かんでいた紋様が一瞬だけ濃く浮かび上がって消えた。





「やっと告白したか。告白するのだったら、その時に言えば良かったのに」

「俺の一大決心をしっかり邪魔をした君に言われたくないよ、トーイ」

告白して、ネレヴェーユと話をたくさんしようと思っていた自分を呼んだ張本人のトイウォースを半眼で見て、カエティスは腕を組む。

「それで、俺を呼んだということは何かあったのかい?」

「ああ。物見に行ってもらった部下の情報で亡者達がこちらに向かって侵攻しているようだ。このままいくと明け方頃に相手とぶつかるそうだ」