公爵の娘と墓守りの青年


切なげに笑い、カエティスは一度目を閉じた。小さく息を洩らす。

「大切な人をまた失ってしまうんじゃないかって思った。そのお守りを渡せないままになるんじゃないかって。返事も言えずに会えなくなってしまうんじゃないかってそう考えたら、もう迷いはなくなったよ、ネリー」

突然、ネレヴェーユを愛称で呼び、カエティスは穏やかに微笑む。

「……昨日言ったことだけど、撤回するよ。俺も君に恋してるよ。君を守らせてもらえないかな?」

穏やかに微笑んだまま、カエティスは告げる。
彼のその言葉を聞き、ネレヴェーユは嬉しさのあまり目を潤ませ、静かに頷いた。

「……ありがとう。俺がもし、傍にいなくてもそのお守りが君を守ってくれるから。そのように作ったものだから、どんなことがあってもそれが守ってくれる」

そう言って、カエティスはネレヴェーユの手を持ち上げ、手の甲に口づける。
穏やかに微笑むカエティスを見つめ、ネレヴェーユは顔を真っ赤にする。
いつもと変わらない微笑みなのに、彼の微笑みが極上の笑みにネレヴェーユの目には映った。

「カエティス、少しいいか?」

その時、トイウォースに名を呼ばれた。