公爵の娘と墓守りの青年


自分の前で手を左右に振り、カエティスは否定する。

「物心付いた時から死を覚悟していたのではないのか?」

「ないない。それはないよ」

「……謎だな。このことは後で調べよう。とにかく、君は魔力を使い過ぎるなよ。困った祖父のせいで親友を失うのは辛い」

「分かった。気を付けるよ」

大きく頷いて、カエティスはトイウォースと拳をぶつけ合う。

「さて。今からが気合いの入れどころだな。少し休憩して、亡者達を追撃しよう。先には困った祖父がいるはずだ」

ちょうど先程の一件で集まった兵士やカエティスと共に来た自警団達の顔を見渡し、トイウォースは告げる。

「この追撃で終わらせよう。そして、平和な日々を取り戻すぞ」

「おぉー!」

トイウォースの言葉に、兵士達は一斉に声を上げた。
兵士達の様子を見つめ、彼等からカエティスは少し離れた。
腰に掛けた赤眼の剣の柄に手を触れ、息を吐く。

「どうかしましたか? カエティス」

「わっ、ネレヴェーユ」

背後から聞こえた声に驚いて、カエティスはびくりと身を震わせた。

「……どうしたの? 何かあったのかい?」