公爵の娘と墓守りの青年


「……必死、だったんだよ。ネレヴェーユを守らなきゃって。もちろん、君達の場合でも必死になるけど。だからって全員を守りきる自信はないよ」

言いながら、カエティスは周囲を見渡す。
同じようにミシェイルやレグラス達も辺りを警戒している。
そのカエティスの横顔を見て、トイウォースは眉を寄せた。

「君なら大丈夫だろう。私より強い魔力を持っているのだから。ところで、カエティス」

「ん?」

周囲を警戒していたカエティスはきょとんとした顔でトイウォースの方を向く。

「……魔力を使い過ぎるなよ」

カエティスの珍しい目を見つめ、トイウォースは告げる。

「さっき強い魔力を持っているから大丈夫だろうって言ってなかったかい?」

「ああ、言った。だが、今、気付いた。君のその目に浮かぶ紋様は別だ。その紋様は死を覚悟した者だけが使える紋様だ」

静かに告げるトイウォースの言葉に、クレハノールとネレヴェーユ、ミシェイル達など、この場にいる者達がカエティスを一斉に見た。
この場にいる者達の視線を受け、カエティスは困惑した顔で頬を掻いた。

「いやいや、俺、物心付いた時から魔力を使う度に、この紋様が出てたんだけど……」