公爵の娘と墓守りの青年


「……つれないなぁ。私の愛しの婚約者は」

満面の笑みを浮かべ、トイウォースは家臣の呼び声を無視して、クレハノールや先を進んでいるカエティス達の後を追った。





「……で、本当に一緒に来ちゃうし……君達、狙われてるって分かってる?」

頭を掻きながら、カエティスは大きな溜め息を吐いて、トイウォースとネレヴェーユに問い掛ける。

「分かってるさ。だがな、カエティス。私達で終わらせないと意味がない。あの困った祖父を諦めさせるには私達がとどめを刺さないと」

トイウォースの言葉に、クレハノールが同意するように大きく頷く。

「それで亡者達のように身体を使われたら元も子もないよ」

「そうなったとしても、君がどうにかするだろう? 先程のネレヴェーユ様をお守りしたように」

「あれは……っ」

トイウォースの隣に立つネレヴェーユに気付き、カエティスは言葉を詰まらせる。

「あれは?」

にやにやと笑みを浮かべ、トイウォースとクレハノールがカエティスに詰め寄る。更にネレヴェーユがカエティスの言葉に期待するように見つめる。
それに気付いて口元に手を当て、カエティスは少しだけ顔を赤くする。