緊迫した声を上げ、カエティスは黒いマントに隠すように腰に掛けていた赤眼の剣を鞘から抜く。
「赤眼、頼むっ!」
育ての母愛用の剣をネレヴェーユに向かって投げる。
赤眼の剣はカエティスの言葉に応えるように、ネレヴェーユの前の地面に刺さり、赤いオーラを放って亡者の手を弾いて阻む。
弾かれた亡者とネレヴェーユの間にカエティスは滑り込み、赤眼の剣を地面から抜く。
赤眼の剣を持ったまま、カエティスは空いている左手で亡者を浄化させる。
『オノレ、カエティス……!』
浄化され、消えていく亡者の声がカエティスの耳に届いた。
「……残念だけど、彼女には触れさせない……」
消えていく亡者を見据え、カエティスは呟く。
『オオォォォ……!』
カエティスを恨むような唸り声を上げ、亡者は消えた。
消えたのを確認し、カエティスはネレヴェーユの方へと振り返る。
「ネレヴェーユ、怪我は……?」
心配そうにネレヴェーユの顔を覗き込み、カエティスは尋ねる。
「だ、大丈夫です。あ、あの助けて下さって、ありがとうございます」
花のように微笑み、ネレヴェーユはカエティスの顔を見つめる。


