公爵の娘と墓守りの青年


「のろけ? そこでのろけを言っちゃう? 自分達は順風満帆な仲だから、俺達も仲良くなっちゃえよって言うのはナシだよ」

「残念だが言うつもりだ。私やクレハのように仲良くなれ。結婚はいつだ?」

「……飛躍しないでくれないかな、もう。はぁ、俺、何でここに来たんだろ」

地面に座り込み、自分の膝に肘を置いて頬杖をするカエティスは大きな溜め息を洩らす。

「……とにかくさ、トーイ。夜、気合い入れといてよ」

「ん? ついにネレヴェーユ様に告白するのか? 分かった。気合いを入れてクレハと共にこっそり覗いておこう」

真面目な顔で告げるカエティスに、からかうように口元を吊り上げ、トイウォースは頷いた。

「違うって。そうじゃないよ。今日の夜、亡者達が動く――と思う。勘だけど」

それぞれ色が異なる目を細め、カエティスは真っ直ぐ王都の大通りを見つめる。
その彼の水色の右目は激しく流れる川のように、銀色の左目は鋭い刃のように光って見えた。
トイウォースは普段見る親友と違う、鋭い表情を初めて見た。
その表情はまるで……――。