公爵の娘と墓守りの青年


困ったように笑い、カエティスは呟く。その言葉と同時に先程まで静かにしていた腹も盛大に鳴り出す。

「駄目ですよ、ちゃんと食べないと! 見回りをする前に城で何か食べましょう」

ぐいっとカエティスの手を引き、ネレヴェーユは家を出た。
カエティスもネレヴェーユに引っ張られるまま、歩く。その彼の表情は嬉しさと悲しみが混ざっていた。





「――で、君は私が知らない間にいつネレヴェーユ様と仲良くなったんだ? カエティス」

王都に住む子供と戯れているカエティスに、その彼と同じく子供と戯れながらトイウォースは尋ねた。

「……へ? どういう意味だい、トーイ」

平気な顔で、何人もの子供を両腕にぶら下げながらカエティスは友を見る。

「私を嘗めないで欲しいなと前にも言ったはずだぞ。もう情報は来ている。ネレヴェーユ様と恋仲になった、と」

「……まだなっていないよ」

「何だって?」

「だから、まだ彼女と恋仲にはなっていないよ。彼女にまだ応えられない」

子供達を下ろし、それぞれの家に帰らせながら、カエティスは告げる。

「まだ応えられない? 意味が分からないぞ、カエティス」

「……うーん、何て言えばいいかな……」