公爵の娘と墓守りの青年


腹を鳴らしながら、カエティスは悲しげに小さく笑う。

「いつも?! いつも、そのようなことをされているのですか!?」

カエティスの笑みに気付かず、ネレヴェーユは身を乗り上げて尋ねる。

「そう怒らなくても……。俺のことなんだし、君が心配することのものじゃないって」

「そんなことはありませんっ!」

声を張り上げ、ネレヴェーユはじっとカエティスを見つめた。目にはうっすら涙が浮かんでいる。
声を張り上げたネレヴェーユをカエティスは面喰らったように見つめ、息を飲む。

「私は……まだお会いしたばかりの貴方にトーイや私を狙う人の話をしました。何故だか分かりますか?」

ネレヴェーユの問いにゆっくり緩くカエティスは首を振った。

「貴方なら助けてくれる、そう感じたのもあります。でも、他にもありました。初めて貴方とお会いした時から貴方が気になっていました。どんどん貴方に会うにつれ、私は気付きました」

すぅ、と息を吸い、ネレヴェーユはカエティスをまっすぐ見据えた。

「――私は貴方に恋をしている、と」

顔を真っ赤にして、花のように微笑み、ネレヴェーユはカエティスに告げた。