声をもう一度掛けてみるが、反応がない。
ネレヴェーユは不審に思い、首を傾げる。
しばらくの間、立ち尽くしたネレヴェーユは意を決するように扉をゆっくり開けた。
「ごめんなさい、失礼します――え?」
中に入り、ネレヴェーユは辺りを見回してみると、カエティスの姿はなく整頓された家具類があるだけだった。整頓された、というよりは必要な物だけしか置いていないガランとした部屋だ。
「カエティス? いらっしゃらないのですか?」
部屋の奥まで歩きながら、ネレヴェーユはきょろきょろと頭を動かす。
そこで、初めてテーブルの影に気付いた。
テーブルの影になったところでカエティスがうつ伏せになって倒れている。
「――!? カエティス?!」
慌ててネレヴェーユはカエティスに駆け寄り、声を掛ける。
「カエティス、カエティス! 大丈夫ですか?!」
うつ伏せのカエティスの肩を叩き、ネレヴェーユは彼の容態を調べようとした。
その時、のっそりとカエティスがゆっくり起き上がった。
そのまま、カエティスは胡座を掻き、ネレヴェーユを見た。
「……やぁ、ネレヴェーユ」
「やぁ、ではありません。大丈夫なのですか? どうして、倒れていたのですか!」


