公爵の娘と墓守りの青年


そう言って、カエティスは城門をくぐり、ネレヴェーユを見送った。

「本当に一緒に見回りさせて下さいよ。お休みなさい」

何度も確認するようにネレヴェーユは見送ってくれるカエティスを振り返る。
答えるようにカエティスは笑って、手を振る。

「……さて。何処で寝ようか。トーイが用意してくれた部屋は大きすぎるからなぁ」

トイウォースが用意したネレヴェーユの部屋の扉を見つめ、カエティスは大きな欠伸をする。
良い寝床を求め、カエティスは城内を歩き回った。
それからカエティスが眠ったのは明け方だった。




それから次の日、カエティスはトイウォースに相談し、何か起きても対処出来るように彼だけ王都に住むことになった。
王都の小さな空き家に住んで五日。日が明るい昼間にネレヴェーユは本当にカエティス達に付いて回って見回りをしていた。
今日もネレヴェーユはカエティスの住む家に向かう。
そして、扉を控え目に叩く。

「こんにちは、カエティス。今日もよろしくお願いします」

中に居るであろうカエティスに声を掛ける。
普段ならここですぐにカエティスが出て来るのだが、今日は出て来ない。

「カエティス? いらっしゃいますか?」