公爵の娘と墓守りの青年


肩を竦めて、カエティスは答えた。

「とにかく。君は、城に戻った方がいいよ」

「え、でも、カエティスさんはどうするのですか?」

「俺はさっきも言ったように見回りだよ。あと、俺のことは呼び捨てでいいよ。カエティスでも、カイでもどちらを呼んでくれて構わないよ。トーイのことも呼び捨てにしてるんだし」

穏やかに微笑み、カエティスはネレヴェーユの手を引く。

「あのっ、カエティスさん、ちょっと待って下さいっ」

「はい、俺のことは呼び捨てだって、言ったよ。女神様」

「でしたら、私のことも女神様と呼ばないで下さい、カ、カエティス……」

呼び捨てに少し抵抗があるのか、ネレヴェーユは顔を真っ赤にしてカエティスを呼んだ。

「それでいいよ、ネレヴェーユ。さ、城に戻ろうね」

にっこりと笑って、カエティスは再び、ネレヴェーユの手を引いて歩き出す。

「あ、あの、待って下さい。私も一緒に見回りしてはいけませんか……?」

ぎゅっと力強く手を握り、ネレヴェーユはカエティスを見つめる。

「……え? 何で?」