「はい、分かりました」
頷いて、ミシェイルはディオンの手を引いて、通った道を戻って行った。
ミシェイルとディオンの後ろ姿を見送り、カエティスは苦い顔をする。
「……先生、あの時、俺がちゃんと終わらせていたら、国の人々を巻き込まずに済んだのでしょうか……」
黒い色のマントで隠すように腰に掛けている形見の赤眼の剣に触れ、カエティスは呟いた。
夜、見回りを終えたカエティスは、今度は城内を見回り始めた。
前日と同じく考え事をしていたら眠れなくなったからだ。
「神経図太いと思ってたんだけど、実は小心者だったのかな、俺」
深い溜め息を吐き、カエティスは歩く。
虫も眠る夜中の城内は夜番の兵士達が持つ松明の灯りのみで、周りは全て暗闇だ。
城内は特に異常もなく、トイウォースが魔力で張った結界に守られている。
「このまま、王都に行こうかな。トーイが張った結界に守られている城より王都に住んで、何かあっても対処出来るようにした方が王都の人達も安全だろうし……」
トイウォースが張った透明な結界が見えるのか、空を見つめるようにカエティスは独白する。


