「うん。右と左で目の色が違う人はそういないよ。それに、とても澄んでいるのもね」
にっこりと微笑み、少年は背の高いカエティスを見上げる。
「そう。ありがとう。あ、名前言ってなかったね。名前は」
「知ってるよ。カエティスにミシェイル、でしょ? 兄上から聞いてたし、今日の叙任式に僕もいたし」
「えっ、じゃあ、貴族の人?」
「うん。僕の名前はディオリス。トイウォース兄上達にはディオンって呼ばれてるよ。ディオンって呼んで」
少年――ディオンは満面の笑みを浮かべてカエティスの手を握る。
「えーっと、ディオン君はトーイの弟? ということは王子?」
「うん、そうだよ。あと、僕のことは呼び捨てでいいよ! クレハ義姉上に怒られる」
「……君もクレハが怖いんだね。うん、その気持ち分かるよ」
小さな子供にまで……と思いながら、カエティスは笑う。
「で、ディオンはどうして、城ではなくてここにいるのかな?」
「僕、カエティスと話がしたかったんだ。あの困ったお祖父様を子供の時に追い返したって、クレハ義姉上から聞いたから」
「お祖父様……? 子供の時に君達のお祖父様に会ったことがないんだけど」


