公爵の娘と墓守りの青年


「ん? ミシェイル、何か言った?」

「言ってませんよ、何も」

笑顔で返し、ミシェイルは前方に目を向ける。
目を向けると、前方に金色の髪、茶色の目の小さな少年が不思議そうにこちらを見ている。
その少年の後ろに大勢の亡者達が立ち、彼に向けて手を伸ばそうとしている。

「危ないっ!」

ミシェイルは慌てて、少年に駆け寄り、亡者達から引き離す。その間に、カエティスがミシェイル達を守るように前に立ち、様々な青色で彩られた剣を鞘から抜かずに構え、手を阻む。
そして、一気に浄化させる。

「……ふぅ。君、大丈夫?」

穏やかな笑みを浮かべ、カエティスはミシェイルの腕の中にいる少年に声を掛ける。
少年はカエティスをじっと見つめ、こくこくと頷く。

「……良かった。ところで、俺の顔に何か付いてる?」

「目と鼻と口が」

ぼそりと少年は呟く。

「それはまぁ、付いてるよね。他に何か付いてるかい?」

「付いてないけど、珍しい目をしてるね」

じっとカエティスの水色の右目、銀色の左目を少年は見つめる。

「これ? そんなに珍しいかい?」

きょとんとした顔でカエティスは自分の目を指差す。
カエティスの問いに少年は大きく頷く。