公爵の娘と墓守りの青年


言いにくそうに上目遣いにカエティスを見つめ、ネレヴェーユは口を噤む。
見つめられたカエティスは不思議そうに首を傾げる。

「ん?」

「……お会いしたばかりの貴方に言うのもおかしいのですけれど、トーイと私は同じ人に狙われています。そのことについて、お話を聞いて頂けないでしょうか?」

申し訳なさそうな表情を浮かべ、ネレヴェーユはカエティスを少し潤んだ目で見つめる。

「それは構わないよ。俺で良かったらいくらでも」

穏やかに微笑み、カエティスは頷いた。

「ありがとうございます」

カエティスの言葉に安堵したネレヴェーユはほぅと息を洩らした。
そして、ネレヴェーユはカエティスに事の発端を話した。





次の日、トイウォース直属騎士として叙任式を終えたカエティス達は、クウェーヴィア城内の広間にいた。
普段より簡略している叙任式は僅かな時間で終わった。本来は半日続くらしい叙任式は、トイウォースから叙任式用の飾り付けされた剣を渡され、挨拶をするのみが行われた。
これから、騎士としての初仕事がトイウォースから命じられる予定なのだが、その本人が現れない。

「隊長、トーイ様、来ませんね」