公爵の娘と墓守りの青年


そして、トイウォースは満足した顔で去っていった。
去っていくトイウォースの後ろ姿を見送った後、今度は別のお客が現れた。
そのお客をカエティスはまじまじと見つめ、ぽかんと口を開けた。

「あれ、王様の次は女神様かい?」

「少し、お話いいですか?」

小さく笑みを浮かべ、ネレヴェーユはカエティスに声を掛ける。

「え? うん、どうぞ。あ、ここ、座る?」

カエティスは立ち上がり、ネレヴェーユに先程まで自分が座っていた石段を勧める。
勧められたネレヴェーユはカエティスに促されるまま、石段に座る。
座ったのを確認して、カエティスは地面に胡座をかく。

「……えっと、俺に話って何だい?」

「先程は助けて頂いて、ありがとうございます」

「えっ、いやいや、それはお互い様だよ。こっちこそ、君に皆を助けてもらったんだし。でも、君に怪我がなくて良かったよ。女の子が怪我をしたら大変だからね」

強く頭を振り、カエティスは微笑んだ。

「貴方は変わってますね。今まで、私を女の子と見る人はいませんでした」