公爵の娘と墓守りの青年


その場にいる亡者が消えていくのを確認して、カエティスは息を吐いた。

「――ふぅ。ひとまず終わったね。君、大丈夫?」

支えたままの少女にカエティスは顔を向ける。
見ると、少女は驚いた顔のままこちらを凝視している。
白に近い緑色の髪、白に近い水色の目、光を自ら発しているような美しい顔立ちの少女は喋らずにカエティスをただじっと見つめる。

「えっと……俺の顔に何か付いてる?」

見つめられ、居たたまれなくなったカエティスは苦笑いを浮かべる。
カエティスの問いに小さく少女は頭を振る。

「そっか。あ、皆を助けてくれてありがとう。助かったよ」

カエティスは支えたままの少女に、にこやかに笑って礼を述べる。
少女は支えてくれたカエティスから離れ、彼に微笑んだ。
すると、今度は別の場所から悲鳴が聞こえた。

「カエティス、大丈夫か?!」

「隊長!」

同時にトイウォース達とミシェイルの声がした。

「あー……自己紹介をしたいところなんだけど、悲鳴が聞こえたし、そっちに行くね」

頬を掻き、カエティスはミシェイルや他の自警団の人達を呼ぶ。

「あ、トーイ、クレハ。この子をよろしくね。俺達、悲鳴が聞こえたところに行くから」