公爵の娘と墓守りの青年


カエティスの声を聞き、明るい茶色に少し赤色が混ざった髪の青年が振り返り、緑色の目を輝かせた。

「隊長っ! 良かった……近くにいたんですね」

「うん、まぁ、近くにね。で、状況はどうなってるのかな?」

「俺達、ちょっと苦戦していて、そしたら、あちらの女性が助けに来てくれたんですけど、彼女も苦戦してて……」

「うん、分かった。ミシェイル達は新手が来ないか見張ってて」

「はい、分かりました」

ミシェイルは大きく頷いた。それを確認して、カエティスは右手首に嵌めている腕輪を外し、ミシェイルに差し出した。

「ミシェイル、ちょっと預かってて」

「えっ、隊長、これ……」

「大丈夫だよ。終わったら、すぐ付けるから」

安心させるように笑みを浮かべ、カエティスは浄化しながら亡者の間を割って入り少女の元へ向かう。
何十人もの亡者に囲まれ、必死に浄化する少女は肩で息をしていた。
カエティスは少女の様子に気付き、足早に向かう。
少女の元に辿り着いた時には、彼女はふらついていた。
ふらつく少女を慌てて支え、カエティスは右手を横に空を撫でるように滑らせる。
白い光がカエティスと少女を中心に円を描き、その場にいる亡者達を一気に浄化させる。