公爵の娘と墓守りの青年


「ちっ。覚えてたか。忘れてたらそのまま、突き通そうと思ったのに」

舌打ちをして、クレハノールはそっぽを向く。

「クレハ……君も、変わってないね。王様、貴方も大変じゃないです?」

ちらりとトイウォースを見遣り、カエティスは問い掛ける。

「トイウォースだ。トーイでいい。ついでに、敬語もよせ。私にだけ敬語だとクレハが怒る」

小さく、カエティスに耳打ちし、トイウォースは告げた。

「……やっぱり、君も大変みたいだね」

頷き、カエティスはトイウォースと握手を交わす。
ここに『クレハノール、怖いよね』同盟が成立した。

「――カエティス、だったな。君はどうして、王都に来たのだ?」

「俺が育った街に久し振りに戻って来たら、街は亡者でいっぱいだし、クレハはいないしで、原因を突き止めに向かったらここに辿り着いたんだよ」

「カエティス。お前、いつ街に戻って来たんだ?」

「二ヶ月前だよ。君と入れ替わりだって、君のお祖父さんに言われたよ」

小さく笑い、カエティスは周囲を見た。