公爵の娘と墓守りの青年


目を瞬かせ、青年は首を傾げる。

「その王様は二ヶ月前に亡くなられ、王子の彼が後を継いだぞ」

剣を小さく振り、付着したものを飛ばしながら、クレハノールが答えた。

「久し振りだな、カエティス」

不敵な笑みを浮かべ、クレハノールは声を掛ける。

「久し振り、クレハ。元気そうで良かった」

穏やかに笑みを返し、カエティスはクレハノールを見る。

「お前は全く変わってないな。変われよ、少しは」

「変われって、どのくらい変わって欲しかったんだい?」

「筋骨隆々の倒し甲斐のあるくらい」

「……無理だって」

無茶な要望を聞き、カエティスは溜め息を吐く。聞かなかったら良かった、と言いたげな顔をする。

「話の途中、申し訳ないがクレハ、彼は何者だ?」

「ああ、すまない。王子。彼はカエティス。私の下僕だ」

真顔でクレハノールはトイウォースにカエティスを紹介する。

「いやいや、違うって。いつ俺が君の下僕になったんだい?」

「お前と初めて会った時に決まってるだろう」

「……記憶にないんだけど。確か、あの時は友達になろう、な感じだったけど」