公爵の娘と墓守りの青年


「ミシェイル君と一緒なら、君も無茶は出来ないからね。君はカーテリーズに似て無茶ばかりするからね」

「……う」

無茶をする予定だったのか図星を指され、カエティスは誤魔化すようにベルナートから視線を逸らした。

「ミシェイル君、旅に出る準備は出来てるのかい?」

「うん!」

大きく頷き、ミシェイルは木の裏にそっと隠していた鞄を取り出す。

「ミシェイル、いつの間に……」

呆然と鞄を見つめ、カエティスはミシェイルの用意周到さに驚いた。
輝かんばかりの笑顔を浮かべるミシェイルに、カエティスは諦めたように小さく息を吐いた。

「分かったよ、ミシェイル。一緒に行こう」

手を差し出し、カエティスは言う。
ミシェイルはカエティスの言葉に目を輝かせて、彼の手を握る。

「うんっ!」

「それでは、お父さん。行って来ます」

「行ってらっしゃい。無事に早く帰って来るんだよ」

穏やかに微笑み掛け、ベルナートは見送る。

「そして、私とちゃんと勝負しろよ、カエティス」

ベルナートの反対側から声が聞こえ、カエティスは驚いて振り返る。