公爵の娘と墓守りの青年


苦笑いを浮かべ、カエティスはベルナートに近付く。

「……あの、俺が居ない間、ミシェイルとお墓と小屋をお願いします。お父さん」

「もちろん。安心して行っておいで。気を付けて」

穏やかに微笑み、ベルナートはカエティスの頭を撫でる。その横でミシェイルが別れを惜しむようにぎゅっとカエティスの手を握り締めている。

「はい」

ベルナートに笑みを返し、カエティスは大きく頷いた。

「ミシェイル、元気でね。また会おうね」

ミシェイルに顔を向け、声を掛ける。

「やだっ! カエティスお兄ちゃんと一緒に行く!」

「えぇっ?! 駄目だよ。ミシェイルは小さいし、俺、守り切れないよ」

ぎゅっと手を握って離さないミシェイルに、カエティスは困ったように眉を八の字にする。

「カエティスお兄ちゃんの側に居たいの! カエティスお兄ちゃん、ひとりになっちゃう」

「嬉しいけど、一緒に行くと危ないんだよ。俺、ちゃんと守り切る自信がないよ……」

困り果てた表情で、カエティスはベルナートを見上げた。

「……連れて行ったらどうだい?」

「えっ?」

ベルナートの一言に、驚いてカエティスは目を見開く。