「どういたしまして。あ、でも、カエティス君。出来れば、私のことはお父さんって言って欲しいな」
にこにこと笑い、ベルナートはカエティスを見つめる。
「えっ? あ、はい。えっと……お、お父さん……」
少しだけ恥ずかしそうに、カエティスは呟くように言った。
言われたベルナートは嬉しそうに笑う。
「嬉しいなぁ。よし、カエティス君。旅に出るまで、お父さんとたくさん話そうか」
「あっ、はい!」
大きく頷き、カエティスは小さく笑った。
次の日。
カエティスはベルナートや聖堂の他の司祭達と共にカリンを墓に埋葬した。
墓の場所は街の外れにある小さな森の、カリンとカエティスが住んでいた小屋の近くを選んだ。
よくカリンが剣の素振りや昼寝をしていた場所だ。
そこが一番、カリンも落ち着くだろうと二人が考えた場所だ。
埋葬も終わり、カエティスは墓に花を供える。
しばらく見つめ、カエティスはカリン愛用の赤眼の剣を背中に斜めに掛け、小さな鞄を持つ。
「……お母さん、行って来ます」
静かにそう告げ、カエティスは墓に背を向ける。
「もう、行くのかい? カエティス君」
「はい……。ずっと居ると引き延ばしてしまいそうなので」


