公爵の娘と墓守りの青年


「それに俺は神の落とし子とかいう名前じゃない。カエティスって名前で、ただの子供なんだけど」

痛みで顔を顰めながらも、カエティスは赤眼の剣を握り、言い返す。

「……何だ、お前は何も知らないのか。まぁ、いい。では、カエティス。大人しく我が手に落ちろ」

「だから、ならないって!」

睨みながらそう言い返し、カエティスは赤眼の剣を振り上げた。
近くにいた男のナイフを弾き返し、そのままの勢いでまた振り下ろす。
視界が流れる血で赤くなり、乱暴に袖で拭き、カエティスは上がる息を整えようとする。
が、間髪入れずに男達は攻撃を仕掛ける。
男達の攻撃を何とか防ぐが、カエティスはよろめき、近くの木に縋る。
そのまま、足に力が入らなくなり、ずるずると地面に座り込む。

「……立たないと……」

小さく呟き、カエティスは剣を杖代わりに立ち上がろうとするが、頭を強く打ったのか立てずに倒れ込む。

「お前はよくやったぞ、カエティス。さぁ、我が手に……?!」

男達は声を中途半端に言葉を止め、カエティスを凝視する。