公爵の娘と墓守りの青年


「大人しく我が手に……!」

声と同時に男達がカエティスに向かって飛ぶ。

「なるかっ!」

カエティスは赤眼の剣を上段に構え、そのまま力任せに振る。
男達の攻撃をその珍しい赤い刀身で防ぐ。
振った勢いで男達も、カエティスも飛ぶ。

「いたた……。やっぱりまだちゃんと振れないか……」

尻餅をついたカエティスは立ち上がり、赤眼の剣をもう一度構える。
その時、視界の端で、男達の内の一人が眠るカリンに近付いているのが見えた。

「先生に触るなっ!」

叫びと共に、カエティスの身体から白い光が男に向かって走った。
白い光が男に当たり、絶叫する。
驚いたカエティスは呆然と自分の手を見つめた。

「……今の、何? 俺が出したの?」

地面に座り込み、カエティスは手をただ呆然と見つめる。

「おのれ……余計なことを……。お前の母が動くかもしれないというのに」

「動くって、それ、先生じゃないだろ。あんただろ。その穢れた手で先生に触るな」

ゆっくり立ち上がり、カエティスは睨む。

「穢れてるだと? 私は女神を手に入れる高貴な存在だぞ?!」

眉を寄せ、カエティスは訳が分からないと言いたげな顔をする。