「――うん。それでいい。相棒、お別れだ。これからは息子を……カエティスを守ってくれ」
柔らかく微笑み、カリンは柄を握るカエティスの手を覆うように握る。
別れを惜しむように、赤眼の剣が放つオーラがカリンを優しく包む。
「――ありがとう、相棒。さぁ、カイ」
地面から一緒に赤眼の剣を抜いてやり、カリンは立ち上がり、カエティスに言った。
「狙うのはここだ。いいな?」
カリンは苦しさをカエティスに見せないように、不敵な笑みを浮かべる。
口を強く結び、カエティスは母の愛用の剣を構えた。
そして、カエティスは駆けた。
そのままの勢いで、カエティスは真っ直ぐカリンが示した胸に切っ先を向ける。
衝撃が身体中に行き渡る。
カエティスは震えながら、柄を握ったまま、三歩退いた。
「先生っ!」
赤眼の剣を地面に置いて、倒れるカリンの元へ走る。
「先生、カリン先生っ!」
無造作に投げ出されたカリンの手を握り、カエティスは叫んだ。
「カイ、よくやった。流石、私の息子だ。腕が良いよ」
我慢していた涙が抑えられなくなり、泣くカエティスにカリンは微笑み、頭を撫でる。


