公爵の娘と墓守りの青年


「カイ、ベルを小屋へ連れて行け。ベルをベッドに寝かせた後は私が呼ぶまで出て来るな。いいな?」

カエティスの頭を撫でながら、カリンは男達を赤眼の剣で弾き飛ばす。

「先生。カリン先生は大丈夫なんですか……?」

「私を何だと思ってるんだ。お前の育ての母親で、師匠だぞ。あんな竜巻が過ぎた後の切ない荒野な頭のオッサンに負けるか」

尚も不敵な笑みを浮かべ、カリンはカエティスの水色の右目、銀色の左目をいとおしそうに見つめる。

「余裕だから、そこのもうすぐのびそうな司祭を連れて行け」

カエティスの右肩にベルナートの右手を乗せてやり、カリンは急かした。

「はい。先生、気を付けて」

「それはそこのへたれた司祭に言ってやれ」

「……カリン、無茶するなよ」

「余裕だっての。そっちこそ大人しく休めよ、ベルナート」

お互い見つめ合い、二人は笑みを溢した。
そして、カエティスに支えられ、ベルナートは小屋に入った。
小屋に入ったのを認めて、カリンは愛用の剣を片手に、ワルトの方を向いた。

「――待たせたな。本気で掛かって来ないと、本当に返り討ちだぞ、オッサン」

そう言って、カリンは愛用の剣を構えた。