公爵の娘と墓守りの青年


「おいっ、ベル! 大丈夫か?!」

慌てて駆け寄り、カリンはベルナートの様子を確認する。
何処に隠してあったのか、新たな武器で男達はベルナートを刺したようだ。
カリンはベルナートの首筋に手を当てる。血が流れているが、脈はしっかり打っている。
ほっと息を小さく洩らし、刺された腹を止血する。

「……カーテリーズ、済まない。油断した」

痛みに耐えながら、ベルナートはか細い声で囁く。

「気にするなって。誰でも油断はするさ。とりあえず、止血はしといた。後は任せて眠っとけ」

不敵な笑みを浮かべ、カリンはベルナートに言う。
その間にも、男達が攻撃を仕掛けて来たが、そちらに顔を向けることもなく左手で持った赤眼の剣で防ぐ。

「あ、でも、そこで眠られても困るから、小屋に行け。カイを呼ぶから」

そう言って、カリンは本当にカエティスを呼ぶ。
呼ばれたカエティスは扉の取っ手を持ったまま、ベルナートを見て、固まる。

「先生! 司祭様!」

固まるがすぐに我に返り、カエティスはカリンとベルナートに駆け寄る。