公爵の娘と墓守りの青年


「何かに操られてるとかはないか? 例えば、他国からカエティス君を狙ってやって来た術者とか」

「操られてるのは当たりかもな。でも、他国はないな。クウェール王国にはあの丸いオッサンとかいるけどさ」

ゆっくりとやって来る男達を見つめ、カリンは答えた。が、そこでふと思い出したように付け加える。

「……あ。アイサリスなら居るかもなぁ……。一回、カイと一緒に行ったから。でも、アイサリスにはそんな術はないぞ」

「……そうか。とりあえず、相手の様子や捕らえてから判断するしかないな」

長い息を吐き、ベルナートは組み立て式の錫杖を懐から取り出し、先端を伸ばした。

「そうだな。はぁー、面倒臭いが、大事な息子と夕食の為に頑張るぞ」

そう言って、カリンは愛用の剣を鞘から抜き払う。珍しい赤い色の刀身が露になり、赤いオーラのようなものが立ち込める。

「とりあえず、相手を気絶させて、事情を聞くことにするから、無茶するなよ、ベル」

「そのセリフ、そっくりそのまま返すよ。君にこそ言いたい言葉だね」

錫杖を構え、ベルナートはいつ襲って来るとも知れない男達を警戒しながら返す。