「秘密という訳ではないけど、私以外の奴は知らないことはあるな、うん」
「知らないこと……? どういうことだ?」
眉を寄せ、ベルナートは腕を組む。
「その話はまた後でな。面倒臭い客が来た」
笑みを浮かべ、カリンはベルナートに街とは反対方向からこの小さな森へと続く道を示す。
ベルナートはカリンが示す方向に目を向ける。
茶色い染みがところどころ付いている薄汚い服装の男達がこちらへ向かって歩いて来る。
茶色い染みが気になり、ベルナートは目を凝らし、その染みの正体を知り、驚いた。
「血……」
瞠目したまま呟き、ベルナートは立ち尽くす。
「あいつら、顔に生気がないぞ」
茶色い染みに気付いているのか、気付いていないのか、カリンは眉間に皺を寄せて言う。
言われて初めてベルナートはこちらへ向かって歩いて来る男達の顔色に気付いた。
そして、彼等が手にそれぞれ武器を持っていることにも気付いた。その武器を持つ手、刀身にも血がこびりついている。
「うーん……顔色とか見ても、相手に怪我を負わせました、っていうようには見えないんだけどな。何があったんだ?」
警戒するように愛用の剣の柄から手を離すことなく、カリンは男達を見る。


