公爵の娘と墓守りの青年


「…………」

カリンは彼に目を合わせないように顔を逸らす。

「…………」

ベルナートもじっとそんなカリンを尚も目を細めて見る。

「……いつも素振りしてるのをじっくり見ていたんだよ、カイが」

ばつが悪そうに頭を掻き、カリンは観念したように呟いた。

「……それでカエティス君は強いと言ったのか。見ていたからといって、そう簡単に強くなるか!」

「お前、知らないのか? 上手い人の動きを見て、覚え、盗むのも訓練の一つだぞ」

「それは基礎が出来てからの話だろ。順序が違うだろ!」

「私は人のを見て覚えたぞ」

怒鳴るベルナートに驚いたミシェイルの頭を安心させるようにぽんぽんと軽く叩きながら、カリンは言う。

「……それは君が『アイサリスの戦女神』という異名を持つ程の才能があるから出来ることだろう」

ベルナートはああ言えばこう言う相手に溜め息を吐きながら返す。
ベルナートの言葉を聞き、カリンは嫌そうに顔を顰める。